自担のダンスに抱かれて
自担のダンスに抱かれて
なんて身勝手で上品さに欠けるタイトルをつけてしまったんだろう。
こういう表現はあまり得意じゃなくて、
ステキなものに低俗な印象を与えてしまう気がして、
なんとなく好きじゃない。
先日、キスマイの5年ぶりの冬コンが終わった。
今回は夏のツアーのExtraということもあり、
夏のyummyのダイジェスト曲たちに加え、ニューシングルや冬曲が絶妙に組み込まれていた。
夏のライブには、まるで楽しい青春が夏という季節とともに終わってしまうような切なさがあったのに対し、
冬のライブは歌詞の世界観に入り込んでひとつひとつの儚い物語を体験させてくれるような、切ない物語の主人公になったような、
そんな切なさを感じさせてくれるライブだった。
キスマイって
シングル曲が大体カモンカモン言っててイケイケな印象強めなのに、
カップリングとか冬に聴きたくなるようなバラード系の曲は、とにかくまっすぐで儚くて切ない曲が多い。
慣れない歩幅ごと包みたいよって純粋なこと言ってくれたり、その微笑みは俺だけに見せてよってちょっと独り占めにされたり、あの笑顔がどうして?消えないよって未練たらたらかまされたり、はたまたこの冬が終わる頃僕ら2人はどうなっているだろうだなんて言われてしまって、そんなのずっと一緒にいるに決まってるじゃん…。
儚くて尊くて今にも消えそうな恋心がとにかくしんどいのだけど、
ライブでは歌詞をダンスの振りに入れて全身で表現してくれるから
余計しんどい。
全身で表現される切なさはそれはもう儚くて儚くて、手をのばして掴み取って、一瞬を永遠にしたくなって、それこそガラスの玉で全部封じ込めたくなってしまう。
そんなことをより一層思わせてくれたのが
やっぱり自担の二階堂くんだった。
わたしは二階堂高嗣くんのダンスが大好きで
ここ最近はライブに行けばその度ダンスについて語らないと気が済まなくなっている。
体幹がしっかりしてて内側からあふれ出すエネルギーを感じるのに、
長い手足でどこまでも繊細でしなやかに踊ってくれる二階堂くんのダンス。
頭から指の先までの全神経から生み出されるあの繊細な動きは、切ない曲との相性がめちゃくちゃ良くて、バラード曲もしっかり踊ってくれた今回の冬コンは、
また一段と二階堂くんのダンスに引き込まれるしかなかった。
ニカのダンスは切ない曲をより切なく感じさせる。
勝手な印象だけど、彼は“哀”の表現がめちゃくちゃ上手い。
繊細に打つ胸とか、手を空にかざす仕草とか、力の入った拳とか、そっけなく指ではらう仕草とか、逆にめちゃくちゃ優しく撫でる指づかいとか…
重心は感じるけど全体的に軽やかな動きだからかふと目を離した隙に消えてしまいそうで、
主張が強すぎなくて、空気に優しく触れるみたいに踊るから物語がなめらかに動いていって。
もう、ぜんっぜんうまく伝えられないけど本当に歌の中の主人公がニカなんじゃないかってくらい、めちゃくちゃ切ない表現をみせてくる。
あんなに普段は元気キャラなのに、ほんとそういうとこずるい。(ずるくない)
イケイケ曲の、ガンガンに腰を突き上げたり床に手ついて腰を回す振りの時は他のメンバーがガンガン攻めた表情をする中、
ニカは一人だけ真顔で淡々と事務作業みたいにそれをこなしてて。
基本的にこういうどエロい振りとかガツガツ曲は顔に感情が見えないのに(相変わらずダンスはキレキレで繊細で最高だけど)、
切ない曲は
どこまでも繊細なフリに加えて
ほんとに辛そうに歌うし、
ほんとにきゅるきゅるな目で遠くの空見つめたりするからそういうところもほんとにずるい。(全然ずるくない)
いや私の主観だから本当は違うのかもしれないけど。
でもどうしてもわたしにはそう見えてしまう。
緩急つけたダンスも、しなやかにうねる背中も、優しすぎる指先も、
ゆっくり閉じる瞼も、指先を追いかける視線も、ちょっとハの字になる眉毛も、
見てると、なんだか彼の優しさと気遣いと愛を感じてしまうんだ。
儚げな表情でこんな優しい指先でこんなまっすぐな歌詞を歌われたらなんて幸せなんだろう。
表現がふさわしくないかもしれないけど、
そんな哀の感情を思いっきり表現する二階堂さんを見るたびに
やばい抱かれてるわ…って
咄嗟にそんなことを思ってしまった。
決してダンスを見ながらほんとに抱かれる妄想をしてたわけではなくて、
ただただ自担の優しくて愛おしすぎる世界をいつまでも眺めていたいと思ったし包まれていたいと思った。
キラキラな歌詞をキラキラな衣装でキラキラな人たちが歌うーーー
この多幸感がジャニーズの醍醐味のひとつかなと思っていたんだけど、
というよりは、
きっとわたしは、自担の解釈を通して表現されるキラキラな歌詞の世界観がめちゃくちゃ好きなんだと思う。
たくさんある表現方法の中でもダンスは分かりやすい方法だと思うし
だからこそダンスばっかり見ちゃうのかもしれない。
ニカの表現する世界は、優しくてあったかい。
余韻がまだ全然冷めやらなくて。
あぁ、このままあたたかいまま、新しい一年が迎えられそうだ。